「ベル・エポック ガラスと陶芸の世界」展

19世紀末から20世紀始めのヨーロッパは、「ベル・エポック=美しき時代」と呼ばれています。それまでは上流階級の人々に限られていた舞踏会、演劇などの余興や、長距離の旅行を市民が楽しむようになりました。女性は華やかな服を着飾り、お気に入りの香水をつけることが流行しました。香水メーカーはデザインに優れた香水瓶を積極的に採用しガレ、ドーム、ラリックなどのガラス作家も香水瓶を制作しました。

この時代のガラス芸術のもう一つの重要な事柄に、「パート・ド・ヴェール」の再現があります。エジプト時代に発明されながら長く制作が不可能であった技法を、セーブル国立陶芸所などが主体となり再現に成功しました。ワルター、ルソー、デプレなどが独自の制作方法を考案し魅力あふれる作品を生み出しました。

また、陶芸の世界では伝統と、革新が重なり合っていました。KPM(ベルリン王立磁器製陶所)は18世紀にフリードリッヒ大王によって設立され、19世紀後半には伝統的な陶板画が世界のセレブを魅了しました。

革新的な陶芸ではエミール・ガレの名が上がります。「ジャポニスム」と呼ばれる日本趣味の作品などを発表し、大きな反響を得ました。

今展では、香水瓶、パート・ド・ヴェール、陶磁器約50作品を展観いたします。優雅な時の美をご堪能下さい。